「スワップポイント」は買いポジションを持っているときに金額に応じて付与される金利差調整後の利益で、金利のような感覚で受け取ることができます。FX取引をしなくても、買いポジションを保有するだけでスワップポイントが稼げることは大きな魅力です。
ではこのスワップポイントだけで生活できるほど稼ぐことは可能でしょうか。
いくつかの通貨ペアが高スワップとして知られています。たとえば豪ドル/円、南アランド/円などです。実際にあるFX会社の例で確認してみます。
南アランドを1万通貨購入した場合のスワップポイントは1日あたり15円として、1か月では約450円です。
100万通貨購入すれば45,000円のスワップポイントが得られます。
ランド/円が9円だった場合、100万通貨を買うために必要な保証金はレバレッジを最大賭けて25倍にすれば36万円ということになります。
144万円の資金でランド/円を400万円購入すれば毎月18万円。理論上ではこの数字が成り立ちますが、実際には多くのリスクが伴います。
南アランドのような高金利通貨は国の状況でスワップが変動しやすいこと、南アランド自体が下落傾向であることなどが挙げられますが、最も重要な点は、スワップポイントを得るための長期保有では高レバレッジは厳禁だということです。
長期保有する場合の常識的なレバレッジは2~3倍です。したがって、先ほどの例に戻ると、レバレッジ3倍なら資金が1,200万円必要で、スワップポイントだけでまとまったお金を稼ぐというのは非現実的だといえます。
とはいえ、FX取引でポジションを持ち続けていると、スワップポイントが思わぬ副収入にになることも確かです。スワップポイントの金額は同じ通貨ペアでもFX各社で大きく違い、スワップポイントが付く時間も違います。
スワップポイントが発生する時間は、通常火曜日から土曜日までの朝7時前後で、週末の分のポイントは翌週初めにまとめて付与されます。
投資資金とは別に、スワップポイントだけを出金したいという場合も注意が必要です。スワップポイントのみの出金ができるFX会社とそうでない会社があります。
スワップポイントが高い南アランド、トルコリラなどへの投資を考える人は、スワップポイントの金額だけでなく、ポイントが付与されるタイミングや引出方法などについても各社の制度をチェックしてから取引する会社を選ぶようにしましょう。
スワップポイントは「通貨ペアの2つの通貨の金利差」です。したがって、差額がマイナスになればマイナススワップが発生することになります。日本の金利が低いため、「売りポジション」を保有するとマイナススワップが発生する場合があります。
また、今後、日本の金利が上がり、他の通貨の金利がそれを下回った場合には買いポジションでマイナススワップが発生します。
スワップポイントは毎日変動します。ある通貨ペアを長期保有してスワップポイントを得ていたら、ある時急にマイナススワップに逆転となる可能性もゼロではないということを知っておきましょう。