ロスカットとは、含み損が大きくなりすぎたときにFX会社が強制的に決済することです。これは、個人の資金力を上回る多額の損失を出してしまう事態を避けるための措置で、いわば個人投資家を保護するためにあるルールです。
ロスカットは証拠金維持率が低くなった場合に発生します。
証拠金維持率とは、証拠金残高(口座にある資金を現在の相場ですべて決済した場合の残高)/必要証拠金 のことです。
ロスカットされると、口座にある資金をほぼすべて失いますから、なんとしても避けるべき事態です。そうならないためには、含み損が拡大しそうなポジションは早めに損切りする必要があります。また、あらかじめ含み損が大きくなる可能性があるレートでの逆指値注文を入れておくというのも有効です。
証拠金維持率が下がってロスカット水準に近付いたときに個人あてにアラートメールが送信されるので、アラートを受け取ったらすぐに対処することで、多くの場合はロスカットを避けることができます。
FX会社からアラート通知を受け取ったら、口座に証拠金を追加入金することを「追証」といいます。
これにより、証拠金維持率が上がり、ロスカットを避けることができます。追証により、仮に大きな含み損を抱えていても、その場を持ちこたえて相場が反転するのを待つという選択肢が出てきます。つまり、資金力に余裕があったほうが、FX投資の自由度が上がるのです。
ただし、アラート通知を受け取るたびに資金を追加していったらうまくいくとは限らず、損失を増やすだけになる可能性も当然あるので、自分で投資総額を決めておくことも大切です。
結局、資金100万円でFX投資をする場合、実際に投資する金額は50万円ほどにとどめ、証拠金めいっぱいまで投資しないということが望ましいといえます。
「レバレッジ1倍」の場合、自分が口座に入金した実際の金額を上回る投資はできませんから、ロスカットは発生しません。一方、レバレッジを高くするほどロスカットの可能性は上がります。
日本国内のFX会社ではレバレッジは25倍までと決まっていますが、10倍、25倍などの高レバレッジで投資すると、相場が1円動いただけで証拠金維持率は大きく下がり、簡単に100%に近付きます。高レバレッジだとアラートメールを受け取って対処しようとしても間に合わず、ロスカットされてしまうという可能性が高くなります。
レバレッジは1~5倍程度までにとどめておいたほうが安心・安全です。特にスイングトレードの場合はレバレッジをより慎重に、低めに設定します。