デモトレードとは、一定額の仮想資金を用意して、実際の為替相場でFX取引を行ってみた場合の取引結果が得られる体験版です。多くのFX会社が無料でデモトレードを提供しています。その目的は2つあります。
・すでにFX取引をしている顧客が、いろいろな取引方法を仮想で試してみる
・まだFX取引を全くしていない個人が「注文を出す」「決済する」など、ツール基本の使い方から体験できる
多くのFX会社は、上記どちらにも対応していて、口座を開設していない個人にもデモ版を提供しています。誰でもメールアドレスなどの登録のみでデモ口座を無料で試すことができます。
デモトレードはたいてい、本番環境とほぼ同じものが使えます。したがって、パソコン、スマホ、タブレットなど各種の端末からアクセスできます。
特にデモトレードで試しておきたいのはスマホアプリです。スマホなら手軽に取引できる反面、通信状態によって注文が通らない可能性があるし、アプリ画面は各社それぞれかなり違うので、自分にとって使いやすいものを選ぶ必要があります。
スマホで問題なく取引できるとわかったら、サラリーマンや主婦でもFX投資がしやすくなるでしょう。
デモトレードを提供している会社は以下の通りです。すべて実名などの個人情報登録は不要で、無料で口座開設できます。記載のないものは特に期限設定がありません。同じ注文を複数のデモ版で出してみたりして、できるだけ比較検討し、自分に使いやすいものを選びましょう。
YJFX! 基本機能を30日間試せます。(期限切れ後は再申込が可能)
ひまわり証券 自動注文ツール以外を試用できます。
GMOクリック証券 ほぼすべてのツールが使えます。(1か月の期限切れ後は再申込が可能)
DMM FX ほぼすべてのツールを3か月間試せます。
外為どっとコム Web版とスマホ版のツールが90日間使えます。
アイネット証券 すべてのツール(自動注文ツールを含む)を使ってみることができます。
外為オンライン すべてのツール(自動注文ツールを含む)を試せます。
一方、SBI FX、マネースクウェアジャパンなど、以前はデモトレードを提供していたが最近はサービスを終了している会社もあります。
実際にFX取引を始めるときには、名前や住所などの詳細な情報が必要で、申込み後、口座開設できるまでに審査もあります。しかし、デモ口座の申込は個人情報の入力が不要で、メールアドレスなどのみですぐにバーチャル取引を始めることができます。
ほとんどの会社で、デモトレードに申込むときに入力する内容は以下の通りです。
・取引規約に同意する
・デモトレードで使用する名前を登録する(ニックネームOK)
・メールアドレスを登録する
必要事項を入力・送信すると、メールアドレス宛に口座のIDとパスワードが送信されてきて、ログインすればすぐに取引画面が開きます。デモ版とはいえ実際の取引画面を使うので、自分で考えて注文を出さなくてはならず、かなり実践的なトレーニングができます。
ある会社のデモトレード環境と本番環境を比較した場合、機能はほとんど変わりがありません。それなのに、デモトレードで読みが当たり、うまく稼ぐことができた人が「リアルトレードに移行すると、勝てない」という話をよくききます。これは何故なのでしょうか。
1.心理状態が違う
ゲーム感覚のデモトレードとは違い、リアルトレードではできるだけ損したくないと感じ、含み損が増えるとショックや焦りを感じてしまいます。取引する本人の心理状態の差がある状態で、同じように稼ぐというのはやはり難しいといえます。
2.約定力が違う
デモトレードの取引は架空ですが、リアルトレードでは注文は世界のマーケットで約定されます。相場が激しい値動きをしているとき、注文を出した時刻と約定の時刻とで相場が動き、当初注文したレートでは約定できないということが起こります。これをスリッページといいます。リアルの世界にはこうした不確実性が存在するため、勝手が違うと感じることもあります。
3.取引する時期が違う
これが一番シンプルで大きな理由です。時間とともに相場は変わっていきます。うまくいっていた方法が局面が変わると違う結果をもたらすことはよくあります。もし仮に、同じ時刻に同時進行でデモ版とリアルで同じ取引を実行したら、それほど変わらない結果が得られるでしょう。
デモトレードは初心者が取引画面の見方や注文の出し方に慣れることができる点でとても有効です。しかし、損益の結果についてはデモで成功している方法にこだわりすぎず、リアルトレードで改めて学んでいく姿勢が大切といえそうです。
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