ユーロ圏は現在、18か国に広がっています。
ギリシャがユーロ圏入りしたのは2002年。
これはドイツ、フランス他の主要な国とほぼ同時の加盟です。
ギリシャは当時、ユーロ圏に入ったことで経済が好調になりました。
滑り出しはなかなか順調だったのですが、経済的に強い国と弱い国が一緒になったことのほころびが徐々に表面化し、ついに大問題として噴出したのがギリシャ危機です。
2015年前半まで、ユーロはギリシャ危機の不安定要因をぬぐえませんでした。
現在は少しだけ安定してきましたが、2015年11月にユーログループはギリシャへの資金供給を延期。
ギリシャを助けるための資金はより深刻な難民問題の方に優先されてしまったのかもしれません。
そして2015年後半は、トルコの男児の遺体写真が大きく報道され、難民問題がヨーロッパ全土を揺るがしています。
難民の問題は実際には2015年初めから存在していましたが、報道によってクローズアップされ、各国が対応を迫られる形となりました。
不安定さを増すイスラム圏やアフリカ諸国、ひとつの問題が収束してもまた新たな火種が発生します。
ヨーロッパは恒常的な問題としてこれからも難民と向き合っていかなくてはなりません。
経済的に豊かな国と貧しい国、福祉が充実している国とそうでない国。
人種も言語も文化も多様で、アフリカ・中東と陸続き。
このように考えてみると、「ユーロ」の安定というのはなかなか難しそうです。
しかし、逆に言えば、欧州統合を進めてきたからこそ、現在のような混乱期でもユーロが一定の影響力を持っていて、市場においても力を発揮できているという見方もできます。
不安定な要素をこれほど抱えていても力を失わない、ユーロにはそういう強みがあるのかもしれません。