以前本サイト「FX事件まとめ」の投稿でもご紹介したことがある、【裁判に発展】マネースクウェアジャパンの特許権に基づく差止請求訴訟というニュース。
株式会社マネースクウェアHDが特許権を保有する「トラリピ」の知的財産権を侵害するとして、外為オンラインの「サイクル注文」及び「iサイクル注文」の差し止めを求める訴訟を請求したのは2015年2月のことでした。
2年が経過し、ついに東京地裁で判決が出たようです。
以下のお知らせが2017年2月10日、株式会社マネースクウェアジャパン(以後、M2J)のサイトに掲載されました。
結果は、マネースクウェアHDの請求を認めないという判決でした。
同社はこれを受け、判決を不服として控訴の手続きにはいったということも合わせて書かれています。
そして2月24日、控訴を提起したようです。
今回提訴した先は「知的財産高等裁判所」。
2005年に設置された知的財産に関する事件を専門的に扱う裁判所で、迅速かつ適正な解決を図っている機関です。
東京地裁の審理には2年を要しましたが、控訴審はスピーディに進み、納得が得られる判決となることを期待したいと思います。
M2Jは自社のサービス「トラリピ」の知的財産権が侵害されていると主張しています。
「トラリピ」、正確にはトラップリピートイフダンという名前の連続注文ツールですが、そもそもいつできたサービスで、なぜ訴訟に至ったのか。
これについて簡単に振り返ってみます。
「トラリピ」の誕生は2007年
M2Jがトラリピというサービスを導入したのは2007年。
まだ今ほどFX取引が一般ユーザーに広まっていないころです。
そしてこれより前、同社は「トラップトレード」「リピートイフダン」などの連続注文ツールを開発していて、トラリピはその進化形であり集大成でした。
当時、似たようなツールを開発・提供しているFX会社はほぼありませんでした。
2010年にトラリピは特許を取得しています。
その後2008年にリーマンショックが起こり、個人投資家のFXブームはいったん収束しましたが、2012年に安倍自民党政権となり円安トレンドに転じてからは再び人気が回復。
「少額から投資OK」「レバレッジ25倍制限」など、一般投資家が参入しやすいしくみ作りも進められ、以前より主婦やサラリーマンなど幅広い層がFX投資をするようになりました。
そこで業界に起こったのが激しい顧客獲得競争です。
2013年ごろから、FX各社が初心者や忙しい人でもFX投資がしやすい「連続注文ツール」をこぞって提供するようになりました。
各社のツールについてはFXツール比較!おすすめの自動売買・連続発注ツールで詳しく解説しています。
M2Jは形だけの「模倣」に異を唱えている
「連続注文ツール」のひとつとして2014年、外為オンラインがiサイクル注文をリリース。
これについてM2Jは「トラリピ」の特許権を侵害しているサービスであるとして、冒頭で紹介した提訴というアクションに進んでいったのです。
M2J公式サイト内にある、「なぜ、マネースクウェア・ジャパンの特許「トラリピ」は模倣されるのか。」というページを読むと、同社が他の連続注文ツールをなぜ提訴したのか、その背景がわかります。
「トラリピR」をはじめとする発注管理機能はその「資産運用型FX」のひとつの要素。
「ギャンブル型のFX」を行う環境で取り扱われてはならないものです。
(中略)
発注管理機能を模倣する業者に対して、私たちが「NO」を唱える最大の理由がここにあります。
つまり同社は「トラリピ」というツールと同じくらい「資産運用としてのFX」という理念が大事で、理念なくツールを広める他社にNOと主張しているのだ、ということです。
訴訟では「特許権を侵害しているか、いないか」ということが争点ですが、このような、ツールを提供する会社の理念や姿勢も大事なことであり、FX会社を選ぶときには参考にしたい要素といえるでしょう。
また、最近ではループイフダンに関する偏向した情報を発信するブログもあり、情報をねじまげて伝えるブロガーも増えています。
各ツールにはメリット・デメリットあります。
「手数料がある程度かかってもサポートが手厚く、投資家として育つ付き合いのできるFX会社」もあれば「極端にサービスが偏っていて(スプレッドが高い、など)それがゆえに手数料を安くできる」など、一長一短です。
どれが一番良くて、どれが一番悪いということはありません。
「知識はあるからサポートはいらなくて、使い勝手の良いツールを選びたい」であったり「あまり時間をかけずに堅実に増やしたい」だったり、「自分が資産運用する時に、どういったスタイルで投資していきたいか」によって、その選択肢が分かれます。
以下のような、公平性を担保したブロガーの方や、各FX会社の評判などをチェックして、「自分に合ったスタイルは何か」「正しい情報はどれか」を見極める目が必要です。
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