スプレッド(spread)は「広がり」という意味。FXにおけるスプレッドとは、売値と買値の差額です。テレビのニュースなどで、「今日の外国為替市場は1ドル105円70銭から80銭」という表現をしますが、これはドルを買う場合は1ドル105円80銭、ドルを売る場合には105円70銭という価格になるということです。FX取引をする個人から見て、BIDは売り、ASKは買いです。ASKはオファーと表現することもあります。
売値と買値の差のことを「スプレッドの幅」といううます。スプレッドの幅が広いということはイコール取引コストが高いということ、スプレッドの幅が狭ければ狭いほど、取引コストは小さくなります。FX会社がときおり「業界最狭水準」とうたっていますが、これは「最もお得です」というアピールです。最近はスプレッドを狭くする競争が激しくなっていて、競争米ドル/円のスプレッドが最も狭い会社では0.3銭ほどになっています。
自分が投資をするとき、「この金額ならスプレッドは××円」ということは、簡単に計算できるので、取引をするなら把握しておきましょう。スプレッドが0.3銭の場合、円換算すると0.003円です。10,000通貨を買って売った場合の手数料は0.003 × 10,000通貨 = 30円この30円が1回の取引あたりのコストです。10回売買を繰り返せば300円ということになります。
まず認識しておきたいのは、「スプレッドは固定しない」という前提です。実際に「スプレッドは変動します」と明示しているFX会社もあります。しかし多くのFX各社は「スプレッド原則固定」と表記することがあります。これは、相場急変などの条件がない場合はスプレッドをできるだけ固定するという意味です。実際には相場の変動やマーケとの取引量によってもスプレッドが変動することがあるので、各社のスプレッドがどの程度に固定されているかについては、実績ベースで確認してみましょう。また、スプレッドとは結局のところ取引コストですから、商品の価格のようなものです。したがってFX会社はバーゲンセールのようなものとして期間限定で「スプレッド縮小キャンペーン」を行うことがあります。デイトレード、スキャルピングトレードをする人にとっては、このようなキャンペーン情報も見逃せません。
スプレッド原則固定をうたっている会社も「スプレッドが広がることがあります」と但し書きとつけています。実際にはどんなときにスプレッドが拡大するのでしょうか。
1 早朝など、流動性が低下したとき
「市場の流動性が低下する」とは、市場で売買するプレーヤーの数が少なく、その結果売買契約が成立しにくい状況のことをいいます。毎日の取引でも日本時間の早朝などはスプレッドが広がりやすいといわれています。
2 重大ニュースなどにより相場が急変したとき
為替相場が急騰、急落するときは、上記とは逆に多くのプレーヤーが市場に参入しますが、相場が激しく動いているため、システムが追いつかなくなります。時にはスプレッドの幅が通常の10倍ほどに拡がることもあります。
どんなに狭いスプレッドを提示していても、ちょっとした市場の動揺ですぐにスプレッドが広がってしまうのでは困ります。「狭いスプレッドで安定した取引ができた」という実績は、FX会社のアピールポイントとして最も重要なものなので、多くの会社がウェブサイトなどで「配信実績99%」などと紹介しています。このようなデータも欠かさずチェックしましょう。
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