今回は連続注文できる自動売買ツールの損切りについて考えていきます。
自動売買ツールの種類と選び方についてくわしくは、別の記事【トラリピ・ループイフダン】おすすめの自動売買ツール比較で紹介していますので参考にしてください。
あらかじめ一定の値幅で複数の売買注文を設定しておく連続注文ツール。毎日取引口座をチェックしなくても、知らないうちにコツコツと利益を稼いでくれる、とても便利なツールですが、ときには想定通りに売買ができず、決済できないポジションばかりが増えて、たくさんの含み損を抱えてしまうことも。そんなときは損切りをすべきなのでしょうか?
実は、連続注文ツールは長期で運用するための仕組みであり、したがって原則として損切りしないのが基本です。ただし、すべての連続注文ツールで適用可能というわけではないので注意が必要です。
マネースクウェアジャパンの「トラリピ」は、損切りしない投資方法を推奨しています。ここで気をつけたいことは、損切りしないということは絶対損をしないということではないということ。損切りしないということは、大きく稼ぐことよりも少しずつ利益を重ねることを優先するという意味です。
このほか、アイネット証券・ひまわり証券が提供している「ループ・イフダン」も非常にシンプルな仕組みなので、損切りなしの長期投資に活用している人が多いようです。
一方、最近になってリリースされている新しい連続注文ツールは、仕組みが複雑になっている分、ときには損切りを想定すべき場面も出てきます。サービスを提供している会社の注意事項をよく読み、損切りをどう織り込むべきかを判断してください。
ここで損切りしなくてはならないのはどんな場合かを再確認します。損切りが必要なのは、含み損が増えてしまい、これ以上それを抱えきれないと判断される場合です。逆に言えば、余力があり含み損に持ちこたえられる場合は必ずしも損切りする必要はありません。特にFXの場合、為替は常に上下動を繰り返すので、いつかは逆のトレンドになる、そのときをじっくり待つという方針でもいいわけです。
一方で、FX取引では「ロスカット」の仕組みが存在します。これは資金総額以上の損失が出ないための、個人投資家保護のためのルールです。たとえ自分が損切りしたくなくても、手持ちの資金を越えて含み損が発生する場合には「強制ロスカット」となり、資金がゼロになってしまいます。
したがって、FXでは損切りする・しないというよりは、ロスカットされない対策を意識して行います。
連続注文ツールでは、含み損が資金総額と同額になると強制的にすべてのポジションが決済されて口座残高がゼロになります。資金をすべて失うこのような事態を避けるために重要な点は以下の3つです。
1 レバレッジを低くするFXでは25倍までのレバレッジを設定できますが、25倍で投資すると少しの読み間違いで含み損が大きく膨らみ、早々にロスカットされてしまう可能性が高くなります。安全を重視するなら2~3倍に設定することがおすすめです。
2 十分な資金を口座に入れておくFXでは口座に入金した金額を目いっぱい投資することは通常ありません。仮に証拠金が10万円だった場合、レバレッジ25倍にすれば250万円分の投資ができますが、それをやってしまうとすぐに含み損が10万円に近くなってしまいます。どんな連続注文ツールを使用するかによっても違いますが、通常は口座入金額に対して取引総額を3割くらいまでにしておくと安全です。または、「口座維持率」が100%になると自動ロスカットとなるので、口座維持率が300%程度になった時点で追加の証拠金を入金するという方法があります。
3 連続注文ツールの設定を慎重にするたくさん稼げる設定はリスクが高くなります。連続注文ツールは以下のような点を考慮して慎重に設定しましょう。
・想定する最高値・最安値の値幅を広くとる
・利益確定幅を広めにとる
・注文本数は少なめにする
細かい設定については個別の連続注文ツールの利用ルールを確認する必要がありますが、大体上記のような注意点は共通であてはまります。
4 定期的に見直しをする
連続注文ツールは一度設定したらずっと放っておけばいいというわけではなく、トレンドが変わったら設定を見直していく必要があります。慣れないうちは少ない1000通貨の投資でで3種類ほどの設定をしてみて、結果が思わしくないものは取り消して、新しい設定を追加してみるというのもひとつの方法です。
便利で初心者でも利用しやすい連続注文ツールですが、当然リスクがあり、儲けるためにはコツも必要で、自分で経験を積んでいくしかありません。最初に覚えるべきは「ロスカット対策」です。ここをしっかりやっていけば、連続注文ツールを長期で使いこなして利益を出すという目標に近づいていくことができるでしょう。”